服装史から、ファッション史に移行し始めた1950年代、それ以前は何人かの男性デザイナーたちによって牽引されてきた服飾界でありました。
ファッションの世界に女性活躍の場を構築した最初の女性は、ココ シャネルだと思います。彼女はそれまでの男性デザイナーと違う視点で、女性ファッションをクリエイトし始めました。 まさしくそこに現代につながる。ファッション界だけではなく、多くの世界でも女性たちが活躍することになるルーツがあります。
1970年代以降の女性デザイナーたちの進出は、ファッションを、現実の世界に定着させる大きな役割を果たしました。
なぜでしょう。男性デザイナーたちと女性デザイナーたちの違いを、分析してみましょう
多くの男性デザイナーは女性たちをミューズと崇め彼女たちの100%のボルテージで美しいオーラを、放った時をイメージのスタートラインに想像します。
反面女性クリエイターたちは、ボルテージの低い時をスタートラインにして、現実の世界をショーのランウェイに、重ねるようにして、クリエイトしていきます。
そこには男性クリエーターが描く、より美しくより品が良くより裕福にと思うような、ベターイメージで現実から遥か遠くへ走る感性に、ブレーキを与え、選ばれたものだけではなく現実に幅広く提案できる等身大のイメージを作り上げていきます。
両者の発想は、無数の長所と欠点がお互いに混ざり合います。それらは認めあったり、否定しあったり、しながら多くの人々を参加させてきました。これからもおそらくそうでしょう。
近代ファッションの歴史は、多くの女性が現実と言う名のランウェイを歩いてきた道のりだとも思います。